高校生の頃 よく遊びに行っていた友だちのおじいさんは
私を見ると いつも「まあ、美しゅうよう肥えて。」と言った。
その頃の私は 決して色白でふっくらしているわけでなく
色が黒くて中肉中背、固太り。咬んだら硬い黒パンみたいな
娘だった。けれども そのおじいさんはいつもニコニコしながら
「美しゅうよう肥えて」と言ってくれるのだった。
挨拶だったのかもしれない。それでも耳に心地良く残っている。
「ありがとう、おじいちゃん。
外見で褒められて 嬉しかった最高の言葉です。」
今はもういないおじいさんに 伝えたい。
今はメタボリックで情けなく肥えてしまっている。
私は 夏に太るのだ。
しかし エアコンのないこの家で 連日30度を越す熱気の中で
(33度~38度) サウナのように汗を流している。
少しは痩せるかな?
事態は そんなに甘いものではなく このままこの暑さが続けば
ある日 布団の上で ひからびてくたばっているかもしれない。