潮岬で暮らすようになって わかったことがある。
風は 吹くのではなく 走るのだ。
「どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹き飛ばせ
すっぱいかりんも吹き飛ばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
どっどど どどうど どどうど どどう」
宮沢賢治の「風の又三郎」の風の音が
やっと わかった。
「雨はざっこざっこ雨三郎、
風はどっこどっこ又三郎」
風は激しく走り抜ける。
吹くという 優しい音ではない。
樫野では 海鳴りの音が 凄まじかった。
ごぉ~ ごぉ~と吠えていた。
岬は 風の通り道なのだ。
今朝は 樫野で初日の出を見た。
水平線の上に 雲の壁があるので なかなか
現れなかった。
いつもより寒くて震えながら待っていた。
写真を撮ると 太陽に垂直な光を感じた。
午後 家の窓から太陽の光が見えた。
太陽から真っ直ぐ一本の光が降りていた。
これが「天気輪の柱」かと思った。
新年から 宮沢賢治の世界だ!
嬉しくなって 「風の又三郎」と「銀河鉄道の夜」を
ひっぱり出して 読んでいる。
樫野と潮岬で暮らすことができたことで よかったのは
自然現象を 身近に感じることができること。
海や風や 月や星 植物や生物 いろんな自然が
観察できる。
美しさも 怖さも あってこその自然だ。