何年か前にK君がくれた10枚のCDの中に 何度聴いても心に残る歌があった。
最初は歌の題名も歌っているのが誰なのかもわからないまま ただ聴いていた。
「生まれた時から 僕たちは 滅びていく道の上にいる」と歌っているのだ。
それは 加川良の「幸せそうな人たち」という歌だった。
そうか。私たちは滅びていく道の上にいるんだ。それはすでに生まれた時から始まっているのだと納得できる歌声だった。作詞、作曲は大塚康弘さん。
詩の中の 「青い春は石をはがし 赤い夏に石を投げた
白い秋は石を切り出し 黒い冬に石を敷く」 というところが心に沁みる。
そういえば 堀江敏幸さんの小説で初めて読んだのが「熊の敷石」だった。