今はもうない串本高校には 美術部と商業美術部があった。
40年前のこと。二年になって ほぼ進学するなら短大の
美術と決めて マンドリン部をやめて商業美術部に入った。
油絵を描きたいとは思わなかった。私は静物も花も景色も
描きたくなかった。今もそうだけど・・・
商業美術部では まずパネルにケント紙を水張りして乾かして
ポスターカラーで描く。
ポスターのようなものだから 絵と字を入れる。だから描く前に
考える。絵が先か 字が先か。表現したいものが絵だったら
後から その絵に合う言葉を考えた。時には言葉が先に出てきて
それはどういう風に描いたらいいんだろうと思い悩んだ。
田舎の高校生だから単純なものだったけど 私が覚えているのは
修学旅行で長崎に行って買って帰った手回し独楽の絵。
こまを独楽と書くのが 独りで楽しむものなのかと思い 無心に
独楽を回し続けた。もちろん字は「独楽」と書いた。
その後 白い巻貝を描いて「独白」全く単純だ。
ただ絵を描く作業が面白かった。
今も気持ちは同じなのね。また思いついたら何か始めるかな。
気長に待とう。