81歳の母と話をしようと思うと 話す前に考えてしまう。
ああ言えばこう言うというのかシュミレーションをしているうちに
何も言えなくなってしまう。
子どもの頃からずっと同じ。いつもあれこれ考えて結局何も言えない。
母に限らず 姉妹 叔母 身近な人ほど うまく話せない。
話さなければ伝わらない。これは無口な二男に 私が言い続けたこと。
私がそうだったんだ。ごめんね。二男君。
私は返ってくる言葉で傷つきたくないと 心に蓋をしてしまうのだ。
自分の言葉を減らしても 結果はいつも同じだけれど。
私の言葉が届いていない。届かないからすれ違う。
はっきり伝えられなくて いつもぼそぼそ小声しか出ない。
ことばの引き算ばかりしていたから 遠くなってしまった。
心の蓋がだんだん重くなってきた。
穴を開けて 風を通したいと思う。